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日米嫁姑対決

カリフォルニアから引っ越してきて住み始めたのは姑の家。結構大きく、間取りはリビング、オフィス、ダイニングルーム、ベッドルーム4部屋とバスルームが3つ付いている典型的なフロリダの家である。もちろん家賃はタダ。交換条件として、食品などの買い物代を私たちが出すことになった。

住み始めたころは何もかもが新鮮で、姑とはうまくいくと信じていた。いやうまくいっていた。でも日が経つにつれ、それは苦痛へ変わっていったのである。ふとカリフォルニアにいる頃の仲良くしていたユウコさんとの会話を思い出した私だった。うちと同じ国際結婚の彼女は、姑とは生活習慣が違うし、趣味も全然違うから一緒に住むのは絶対に無理と言っていた。その頃の私は、何とかなるさの勢いで、そこまで深くは考えていなかったのである。姑もお裁縫が好きだって言ってたし、似ているような気がするからうまくいくかもくらいの考えだった。しかし暮らしてみたら全然違っていた。スープが冷めない距離とはよく言ったもので、私たちの場合は近すぎて、熱すぎるスープでお互いがやけどしてしまっている。1週間の同居と終わりが見えない同居はこうも違うことを思い知らされた。そして1年が過ぎた時、外に働きに出ようと決心したのである。家の中に2人主婦は要らないし、24-7の毎日はきつすぎる。体より精神的に参ってしまう。案の定、生理が来なくなったりもしていたので、そしてなまった体を動かすべく就職した私である。

この同居で一番困るのは食事だ。アメリカで生まれて育った86歳の姑には、日本食はカルチャーショックとでもいうべき食べ物なのだろう。寿司を勧めても、絶対に食べない。どころか顔色を変えながら拒む。生でない茹でた海老や卵、きゅうりなどを勧めてもだめだ。まず、寿司という言葉で拒否反応を示してくる。でも照り焼き系は好きなようで、醤油で甘辛く味付けしてあるもの、とんかつなどの揚げ物系は食べてくれる。反応がいいのは、もちろんアメリカ南部の揚げ物やBBQなどの食べ物を作った時だ。逆に私は、アメリカ南部の食べ物は毎日食べたいとは思わないし、毎日食べるのは日本食、そう日本食LOVEである。お米か麺があれば生きていける系でもある。ある日、お義母さんが私に言った。”どうしてあなたの作るものは米か麺ばかりなの?”って。アメリカ人がイモを食べているのと一緒の感覚と言ってみたのだけど、納得できないようだ。これにはアジアの文化が関わっているんだな、きっと。残念ながら、ここでは日本でよくいう主食、副菜、汁物など色んなものを少しづつ頂くといった習慣がない。メインの肉にポテト、野菜はサラダとボリューム満点、栄養価は???な感じの食べ物ばかりだ。野菜といえばサラダもしくは葉物の野菜を何時間も煮たものやオクラを揚げたフライドオクラになってしまう。最初の頃は喜んで食べていたが、今は食べるのが苦痛になってきた。7月に日本への里帰りから帰ってきてからは、自分の作りたいものや食べ物を作ることにして、姑の食べたいものを週に何回か作るようになった。もし嫌いだったら、何か自分で作ってくださいといった感じだ。でもそれくらい割り切らないと毎日が苦痛になってしまって楽しくない気がする。根本的に食に対する考えが違うのだからしょうがないというのが結論だ。そんな姑の口癖は”生涯で一番美味しいものを口にした~”だ。残念ながら、私が作ったもので言われた例がない。。


by floridalife | 2018-10-08 10:42 | アメリカ奮闘記

アメリカフロリダ州ペンサコーラでの暮らし日記。お菓子やケーキの注文販売、お菓子室もやっています。


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